COLUMN
2026.11.06
- コラム
海のロケーション撮影の前に 気象庁の潮位表で満潮と干潮の時刻を見る
砂浜や岩場、海辺の公園などで撮影するとき、潮が満ちているか引いているかで、足もとの広さや景色の見え方が変わります。撮影の日や時間を考える材料として、気象庁は全国の潮位の予測を「潮位表」として公開しています。ここでは、気象庁の潮位表の解説と潮汐の知識のページをもとに、満潮・干潮と大潮・小潮の仕組み、表を読むときの注意をまとめます。
気象庁の潮位表とは
予測した潮位をまとめた表
気象庁の潮位表のページには、全国各地の潮位の予測値が載っており、これを天文潮位と呼びます。解説のページによると、この予測値は、過去に観測した潮位のデータを分析して計算したものです。「潮汐の仕組み」によると、長い期間にわたる精度のよい観測データがある地点では、天文潮位をかなり正確に予測できます。気象などのさまざまな影響で、実際に観測される潮位とは違ってくるため、注意するよう書かれています。地方を選んでから地点を選ぶ形になっていて、関東地方・伊豆諸島には銚子漁港や館山、東京、横浜、横須賀などの地点が並んでいます。表は2011年から2027年までの年を選んで見ることができます。
表の見方
潮位は、潮位表基準面からの高さか標高を、cmの単位で示し、一度に見られる期間は最大5週間です。潮位表基準面は地点ごとに違い、大潮のときの平均的な干潮の高さを基準にしていて、海図の水深0mにほぼ当たると説明されています。標高で表示できる地点は、国土地理院、海上保安庁、気象庁のいずれかが受け持つ観測地点だけです。時刻はすべて日本標準時で書かれています。潮位表の基準面は、観測の記録に使う基準面とは違うため、表の値と観測した潮位を比べるときは、どちらも標高に直すなどすると便利だと説明されています。表の天文潮位は、60の分潮の調和定数を使って計算しているとのことです。表の満潮と干潮は、天文潮位がいちばん高くなる時刻といちばん低くなる時刻を予測したもので、当てはまる満潮や干潮がない欄は「*」で示されます。1時間ごとの潮位の表とグラフもあり、グラフには満潮や干潮のときの高さが反映されない点に注意が要ります。
満潮・干潮と、大潮・小潮
1日に2回の満ち引き
気象庁の「潮汐の仕組み」によると、海面の高さはおよそ半日の周期でゆっくり上下していて、この現象を潮汐といいます。主な原因は、月が地球を引く力と、地球と月が共通の重心のまわりを回ることで生じる慣性力を合わせた「起潮力」で、太陽との間にも少し小さな起潮力が生まれます。潮位が上がりきったときが満潮、下がりきったときが干潮で、地球が1日に1回自転するため、多くの場所では満潮と干潮が1日に2回ずつ訪れます。ただし解説のページによると、場所や季節によっては1日に1回しか現れないことも、3回かそれより多く現れることもあります。月が約1か月かけて地球のまわりを回っているので、満潮と干潮の時刻は毎日およそ50分ずつ遅れていきます。
大潮と小潮
月と太陽が地球から見て一直線に並ぶと、2つの起潮力の向きがそろって、1日の満潮と干潮の差が大きくなり、この時期を大潮と呼びます。月と太陽が直角の方向にずれているときは力が打ち消し合い、満潮と干潮の差がいちばん小さくなる小潮になります。新月と満月のころが大潮、上弦と下弦の月のころが小潮で、新月から次の新月までにそれぞれほぼ2回ずつ巡ってきます。潮位表には新月・上弦・満月・下弦にあたる日に印が付き、新月と満月の日の前後数日は満潮と干潮の差が大きくなる大潮だと解説されています。解説には、潮干狩りには潮位の低い時間帯が向いていて、潮位がいちばん低くなるのは大潮の期間の干潮の時刻の前後だとも書かれています。
2026年の秋から冬の例
国立天文台のほしぞら情報(東京)によると、2026年11月の新月は9日、満月は24日で、12月も新月が9日、満月が24日です。気象庁の解説にあてはめると、これらの日の前後数日が大潮の時期の目安になり、実際の時刻は撮影する場所に近い地点の潮位表で確かめることになります。
実際の潮位とのずれ
気象庁の潮汐の用語集では、天文潮位と実際の潮位のずれ(気象などの影響によるもの)を潮位偏差と呼んでいます。気象の影響による潮汐は気象潮と呼ばれ、その代表が高潮です。台風などで気圧が下がって海水が吸い上げられる効果と、風で海水が吹き寄せられる効果で、海面が異常に高くなる現象は高潮といいます。「潮汐の仕組み」には、潮位にも季節による変化があり、日本の沿岸の多くでは夏から秋に高めになるものの、地域によって傾向が違うとも書かれています。また、暖水渦の接近や黒潮の蛇行などを原因として、1週間から3か月程度にわたり潮位がふだんより高い、または低い状態が続く現象は異常潮位と呼ばれ、ひとつの府県を超える広い地域に及ぶことが多いとされます。昨日・今日・明日の実際の潮位と天文潮位は「潮位観測情報」で見られると案内されています。
海辺の撮影の計画に
潮位表の情報をもとに、海辺での撮影の前に確かめておきたい点をまとめます。
- 撮影する海岸に近い潮位表の地点を選び、撮影の日の満潮と干潮の時刻を見ておく。
- その日が新月や満月の前後で、潮の差が大きい大潮にあたるかを確かめる。
- 表の値は予測なので、当日は天気予報や潮位観測情報もあわせて確かめる。
- 潮が満ちてくる時間帯の足もとの様子を、現地の案内や管理者の情報で確かめておく。
潮位表は過去の観測をもとにした予測で、満潮と干潮は1日2回が基本ですが、時刻は毎日およそ50分ずつずれ、新月と満月のころには潮の差が大きくなります。
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参考にした資料
出どころのページは、どれも2026年10月13日に開いて内容を確かめました。



